熱性痙攣  febrile seizure 目次に戻る

作成日:2004/03/17

概念

発熱に伴って出現する痙攣のことですが、通常生後6ヶ月〜5歳までが多く、その後は起こさなくなります。乳幼児が主体なので、脳の発達の未熟さと発熱による異常な刺激が重なって痙攣(ひきつけ)を起こすと考えられています。大切なことは、髄膜炎や脳炎などの中枢神経系の感染症を見落とさないこと、てんかんなどの疾患との鑑別をしっかりとすることです。

予防について

  1. 前駆症状に注意してあげてください。なんとなく元気がない、機嫌が悪い、食欲がない、などの様子が見られたら、必ず体温を測定するようにしてください。 
  2. 体温が37.5℃を超えたら、ダイアップ坐薬(通常は、4mgか、6mgの製剤)を挿入してください。
  3. 8時間経っても熱が続いている時には、もう一度坐薬を挿入してください。通常は、2回の投与で終了とし、それ以上続けて使う必要はないはずです。2回の挿入で48時間は効果があるとされています。
  4. 解熱剤の坐薬とけいれんの坐薬を一緒に挿入すると、けいれんの坐薬の吸収が悪くなります。先にけいれんの坐薬を挿入して、30分以上経ってから、解熱剤の坐薬を挿入してあげてください。解熱剤の使用については、諸説がありますが、一般的な発熱と同じ考え方でよいでしょう。

ひきつけた時の対処方法

  1. ひきつけたときには、衣類を緩めて楽な姿勢にしてください。
  2. 吐くことがあるので、吐物が喉につまらないように、横に向けて寝かせてください。
  3. 熱性痙攣では舌を噛んで死ぬことはありません。口の中に箸やタオルを入れるのは、かえって呼吸を苦しくしたり、吐くことを難しくしたりしますので、止めましょう。
  4. 普通は、上記の処置をすれば5分くらいで治まります。10分以上続く場合は救急車を呼ぶのがよいでしょう。
  5. 5歳以上になると、熱性痙攣はみられなくなるとされています。
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